予防接種
予防接種
一般的に65歳を過ぎると、肺炎に罹患するリスクが高まります。肺炎球菌は、日常でかかる肺炎(市中肺炎)の中で最も多い原因菌として知られています。また毎年冬季に大流行するインフルエンザに罹患すると、2次感染として肺炎球菌に罹患する確率が高いことも知られています。
このような感染症を予防するために、65歳を過ぎたら肺炎球菌ワクチンを接種することが非常に重要です。接種は、1年を通していつでも可能です。
現在、日本では下記の3種類の肺炎球菌ワクチンの使用が可能です。バクニュバンスは2022年9月に日本で承認された3種類の中で最も新しいワクチンです。
65歳以上の方で、定期接種費用の一部を公費で負担できる定期接種のワクチン(任意接種も可能)
ニューモバックスは、23種類の血清型に対応しており、定期接種(65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳)または任意接種が可能です。5年経つと効果が弱まるので、5年ごとの接種が勧められています。
プレベナー13は、13種類の血清型に対応した肺炎球菌結合型ワクチンで、任意接種が可能です。ニューモバックスと異なり、プレベナー13は一度接種すれば身体に免疫記憶がつくので、1回の接種で接種が完了となります。
バクニュバンスは3種類の中で最も新しいワクチンで、プレベナー13より2種類の血清型が追加された15種類の肺炎球菌結合型ワクチンです。
免疫学的にはバクニュバンスはプレベナー13よりも高い予防効果があるとされ、実際バクニュバンスでカバーされる原因菌は、2018~20年の65歳以上の肺炎球菌性肺炎の原因菌全体の43.3%を占めるといわれています。バクニュバンスもプレベナー13と同様に任意接種が可能で、一度接種すれば身体に免疫記憶がつくので、1回の接種で接種が完了となります。
プレベナー13やバクニュバンスの接種は、ニューモバックス接種後1年以上経過していることが条件です。プレベナー13接種後半年以上経過すれば、いつでも2回目以降のニューモバックスの接種は可能です。
ただし5年以内にニューモバックスの再接種を行うと、注射部位の痛みが強く出る場合がありますので、2回目のニューモバックスは前回のニューモバックスから5年以上経過していることが条件です。
ニューモバックスNP(全年齢対象・5年毎に接種奨励) – 8,800円(税込)
商品名 | ニューモバックス | プレベナー | バクニュバンス |
---|---|---|---|
ワクチンの種類 | 23価肺炎菌ワクチン | 13価肺炎菌ワクチン | 15価肺炎菌ワクチン |
費用 | 1回目8,800円 | 当院非対応 | |
2回目以降8,800円 | |||
特徴 | 65歳の定期接種に対応 | 65歳以上および罹患リスク※のある人に推奨 | |
5年ごとの接種が推奨 | 1回の接種で接種が完了 | 1回の接種で接種が完了 | |
プレベナー13よりも高い予防効果 |
※江戸川区からの助成がある方は書類をご持参ください。
当院では従来型の生ワクチン(ビケン)と2020年1月から接種可能となった新しい不活性化ワクチン(シングリックス)の2種類ともに接種が可能です。効果や費用などに違いがあります。対象年齢は50歳以上となります。
水痘・帯状疱疹ウイルスへの感染による疾患で最初に感染したときには、帯状疱疹ではなく水ぼうそうとして発症します。
水ぼうそうは免疫によって治りますが、加齢やストレスなどにより免疫力が低下すると帯状疱疹として発症することがあります。ウイルスが皮膚へ攻撃することにより水疱などのブツブツが現れるとともに、帯状疱疹の時の痛みだけが後遺症として残ってしまう場合があり、これが帯状疱疹後神経痛です。
弱毒化された生きたウイルスが含まれており、小児にも使用する水痘ワクチンです。1回の接種で済みますが、有効性は約60%で、5年を超えると有効性が低下します。
接種費用は8,800円(税込)です。
2ヶ月間隔で2回接種(合計2本)が必要ですが、予防効果が90%以上と高く、効果の持続も10年程度見込まれます。生ワクチンに比べると、重篤ではないものの注射部位の痛みや発赤、腫れやなどの副反応の頻度が高いです。
接種費用は1回24,200円(税込)、2回接種で48,400円(税込)です。
※対象年齢:50歳以上
従来型の帯状疱疹ワクチン | 新しい帯状疱疹ワクチン | |
---|---|---|
商品名 | ビケン | シングリックス |
ワクチンの種類 | 生ワクチン | 不活化ワクチン |
ワクチンの種類 | 生ワクチン | 不活化ワクチン |
摂取方法・回数 | 皮下注射 1回 | 筋肉注射 2回(2ヶ月間隔) |
費用 | 8,800円×1回 | 24,200円×2回 |
持続期間・有効性 | 約5〜10年 – 50〜60% | 約10年 – 80〜90% |
メリット | 接種が1回で済む | 予防効果が高い |
費用が安い | 内服薬や既住歴に制限がない | |
デメリット | 抗がん剤やステロイド投与中は接種できない | 副反応(痛みや腫れ)が出やすい |
– | 使用年数が短い(2018年承認) |
破傷風菌は怪我をした時に侵入しやすく、死亡する確率も高い菌の1種です。屋外でけが(擦り傷や、血が出ない軽い傷も含みます)をすれば破傷風の可能性がありますので、ほぼすべての人に接種するメリットがあります。
特に、「土」などに接触する機会の多い農作業者や工事現場の従事者・不衛生な環境に曝露しやすい被災地域での支援・災害などの際も、破傷風菌の予防に破傷風トキソイドの追加接種の重要性は高いです。接種間隔を守り、正しく接種すれば予防率はほぼ100%となります。
破傷風ワクチンは定期予防接種の「3種混合ワクチン」に含まれており、12歳の時に接種していれば、20代前半までは免疫が持続しています (約10年間の免疫持続)。しかし最終接種から10年経過した方は、追加の予防接種が必要です。
当院では、怪我をした時の緊急接種(保険適応)ともに対応しております。院内で常備しておりますので、緊急時の接種予約は不要です。
怪我をした時の緊急接種の場合: 健康保険が使えるので数百円ですみます。
別途、お知らせにてご案内させていただきます。
当院は新型コロナワクチンの接種には対応しておりません。
下記のワクチンは電話もしくは窓口での予約が必要となります。
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